こんにちは。KEC日本語学院、七色の語り部こと学院長のいそべです。今日は日本語教師になる方法、のその前段階のお話をします。
①日本語教師って、国語教師と何が違うの? ②日本人なら誰でもできるんじゃないの? と、よくご質問を頂きます。日本語教師になる方法より前に、まずここですよね。
では、疑問を解消していきましょう。
①国語教師は、日本語母語話者に対して教えます。日本語教師は、日本語を母語としない者に対して教えます。ですから、本人が日本人で両親も日本人、でも親の仕事の都合で生まれも育ちもアメリカで、ずっと英語を使ってきて、中学生になって日本へ戻ってきた帰国子女は、日本人なんだけれども日本語教育を受けます。その逆で、韓国人なんだけど、生まれも育ちも日本で、時々祖父母に会いに韓国には行くけど、むしろ韓国語はほとんど分かりません、っていう場合、韓国人なんだけれども国語教育を受けます、っていうか、既に受けてきています。つまり、相手が日本人だから、とか外国人だから、とかには関係ないわけですね。
②については、野球ができることと、野球を教えられることとはまた別ってことです。「名選手、名監督にあらず」で、日本人で日本語をバリバリ使いこなせても、それを日本語の全くできない人に教えるとなると、これはまた別のスキル。特に母語話者が母語を教えようとする場合(日本人が日本語を、中国人が中国語をってこと)、その言語は知らず知らずのうちに身に付けてしまっていますよね。これが厄介。
「りんご」を「にんご」って発音する人に、どうやって「り」を発音させます?
「むかしむかしあるところに おじいさんと おばあさんがすんでいました。おじいさんは 山へしばかりに …」はい、ストップ~。この時の「が」と「は」の違いを、どう説明します?ある人は、「複数いたらがで、単数ならはかな?」とおっしゃいました。まず、複数と単数って言葉、初級レベルの外国人には「?」です。更に、「が」が複数に付くとなるとえらいこと。「すると川上から 大きな桃が どんぶらこどんぶらこと流れてきました」桃、たくさん流れてきちゃいますね。もはや桃太郎ではなくなり、桃次郎、桃三郎、桃四郎に、桃子、桃江、桃美…。桃が多すぎて、おばあさんは腰痛になるわ、鬼退治が桃兄弟姉妹による大軍団での攻撃になって、犬、猿、きじ、は必要なくなるわで、タイトルを「10男10女桃大家族スペシャル!」とかにした方が良くなりますね(笑)
ということで今回は、国語教師との違い、日本語が誰にでも教えられるのか、についてお話ししました。次回は、いや次回こそ、日本語教師になる方法についてお話ししたいと思っていますので(予定は未定)、またお暇な折にご覧くださいね。
最後までお読み頂き、有難うございました(^_-)-☆
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