教室で教えることと、オンラインで教えること、
皆さんはどちらが教育価値が高いと思いますか?
質問自体が偏見にみちていると、即座に反応が戻ってくるかもしれませんね。
一昨年、コロナの真っ最中に、オンライン授業についてのある研究を行いました。
例えば、英会話など、教科ごとに科目を教えるような授業については、問題なく行えるとの意見が多数でしたが、ひるがえって、幼児教育、書道、武道、踊りなどの稽古事は難しいとの意見が大多数となりました。
しかし、人は挑戦することをやめません。
研究では、東京のある音楽教室の先生にインタビューを行いました。
質問は、オンラインで音楽を教えることができるか、です。
発達障害を抱える児童にピアノを教える先生は、できると答えました。
そこには、教室で行うありとあらゆる工夫はもちろんのこと、オンラインに対応した、新たな工夫も盛り込まれています。
子供たちは、カメラの前でじっとしているわけではありません。少しでも面白くなくなると、すぐに画角から飛び出してしまいます。画角とは、対角、水平、垂直3種類の動画が映る範囲のことを言います。
先生は、子供たちがでていっても、巧みにもとの画角に引き込んでいきます。
オンラインで伝わる限界に挑戦し続ける姿勢は、プロフェッショナルの仕事術そのものです。
さらに、オンラインを通しますと、サービスの限界である地理的条件を凌駕し、世界のどこにいても授業を提供することが可能です。
教室で生徒を魅了し、やる気を出させ、自然と学びにつなげることができる先生は、オンラインでも同様に、内省し、改善を重ねます。その先生とオンライン上で培われた関係は、対面と優劣をつけることは難しいと言えるのではないでしょうか。
オンラインの地平にせまる教育は、教育者が習得すべき新分野となります。
教室で教える傍ら、オンライン講師としても活躍する道をさぐってみてはいかがでしょうか。
これまで、教室では出会えなかった様々な人たちに出会える可能性を、難しそうのひとことで終わらせるには、あまりに惜しい分野です。